カテゴリー別アーカイブ: 日本語・印刷

校正と追加料金 印刷・ホームページ 

印刷やHP作成など、多くの会社等が担当者で校正を行って、担当者レベルでOKとなってから上司の決裁を仰ぎます。

印刷の校正は、90年代まで手書き原稿が主流で、デザイン校正を除き3回の校正が一般的。
・デザイン校正
・初校
・再校(第2校)
・三校

Wordなどデータ入稿が主流になったいまも、3回の校正が一般的です。
・デザイン校正+初校
・再校(第2校)
・三校

3gen

手書き原稿は打ち間違えがあり、Word入稿も変換ミスやフォント化けなどが起こり得るので、初校と再校で間違えを確認・修正し、三校で最終確認をします。
校正段階で原稿を修正があると、別料金が建前ですが、初校や再校の修正でついでに直して追加料金を請求しないケースが多いです。

ホームページも同じようなケースが多いですね。

ところが、担当者レベルで三校まで行ってから上司の決裁を仰ぎ、三校で大きく変わってしまうことがあります。

印刷会社やホームページ制作会社は、再校までの文字校正に加えて原稿修正も想定して見積もっているケースがあります。
初校はレイアウト変更を含む修正も想定し、再校はレイアウトの変更を伴わない文字や写真の修正を想定していますが、三校以後の修正は見積に含んでいないので、追加料金が発生します。

決裁で大幅な修正が想定される際には、初校段階で内諾を得るのが理想です。






挨拶状と感謝状

いよいよ3月、日系企業だと異動になる方が少なくない時期と思います。
転任の挨拶状や転任・退職に伴う感謝状・表彰状を作成する機会が多い時期でもあります。

在韓日系企業では、挨拶状は日本語と韓国語の2ヶ国語で作成するのが一般的ですが、日本語には一定のルールがあります。

拝啓 ○○の候 貴社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて私こと(今般私儀)
~本文~ 敬具
年月
○○株式会社
○△某

というのが挨拶状の一般的な形式ですが、日本語ルールによると、まず、正式には句読点を用いません。
句読点は文脈を示し、読み手を助けるために付します。
読み方を教えることは上から目線であると考え、格式を重視する文では句読点を用いません。
肩肘張らない挨拶状や伝えたい内容が多く、誤解を招きかねないなどで付す例もありますが、感謝状・表彰状では認められません。
同じ考え方から「一字下げ」も行いません。

次に「私こと」「今般私儀」など自分のことを指す語や、差出人を示す単語は、縦書きなら真ん中より下、横書きなら真ん中より右に配置します。
「さて私こと」をだけ1行とする文もよく目にしますが、
気になる人だと序文の挨拶を調整してすっきりまとめることもあります。

例1)
○○の候 貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます
                       さて今般私儀
本文~

例2)
○○の候 貴社ますますご健勝のことと存じます さて今般私儀
本文~

例1だと、さて今般私儀だけが1行になりますが、例2はさりげなくまとめています。

反対に名宛人や相手先を表す語は、真ん中より上または左側に配置します。
それと、日本語の禁則はもちろん、そのまま適用します。
冒頭を小文字、長音、んなどからはじめないルールです。

日付も要注意。
2015年、二〇十五年、二〇一五年、平成などいくつかのパターンが考えられますが、どれでも良いというわけではありません。
横書きは正式には2015年。
二〇十五年は縦書き全般で使えますが、二〇一五年は縦書き弔事のみ。

同じように日付で10日を記載する場合も漢数字だと十日と一〇日の2種類あります。
これも十日は全般で使えますが、一〇日は弔事で使います。
また日本は元号、韓国は西暦を使っていますが、これも決まりがあり、主文は発信する国の年号で、翻訳文など副文で相手の年号を使うのが公式です。

漢字と平仮名の使い分けは厳密なルールはなく、誤字さえなければ構いません。
常用漢字かどうかを基準に考える人もいますが、こだわる必要はなく、御礼=お礼、宜しく=よろしくなど、好みや字数で選んで差し支えありません。

ところで、韓国語にはここまで面倒なルールはないようです。
実は日本語でも縦書きには厳格なルールがありますが、横書きだと厳密なルールはなく、縦書きのルールを適用しているに過ぎません。
あくまで推測ですが、韓国の古文書は縦書が多く、縦書き時代にはルールがあり、横書きになってから簡素化されたのかもしれません。

ところで、漢字・平仮名表記の選択も悩むところです。
漢字・平仮名のほか、ふりがな付の漢字もあります。

写植の時代、漢字とふりがなの判断は常用漢字かどうかが基準でした。
常用漢字は時代とともに変わるので、印刷会社でも新しい漢字辞書を常備していました。

PCが主流となった最近は、出版社等は別として、一般には常用漢字かどうかより、第1水準・第2水準を意識することの方が多いかもしれません。

ケーキ箱

ケーキ箱とマカロン箱の製作に取り組んでいます。
プラスチック成形では金型を使いますが、紙製のパーケージは木型を使います。

さて、ソウルにある食材用の包装資材は、芳山市場が有名です。
ケーキには1号、2号などがありますが、ケーキ箱の形状は各サイズ1種類ずつのみ。
パティシエが新商品の創作に取り組もうと思っても、箱の形状に合わせるしかなく、使い途(=ケーキの形状)が限定されてしまいます。

また、既製の型を使ったケーキ箱は箱からケーキを上手く出し入れしないとケーキそのものに傷がつきやすい形状となっていることも判明し、パティシエと相談して、型から作ることとしました。

パッケージ製作では、まず形状を検討してサンプルを作りますが、形状サンプルができたら、あとは、普通の印刷と同じです。
デザイン制作>印刷>木型製作>製函という流れです。

オリジナルパッケージは、専用の木型をつくるので、既製の型を使う場合と比べると、時間がかかり初期費用も高くつきますが、
自由度がある上、工夫次第ではリピートを安くすることも可能です。
使い易さ、陳列のしやすさ、ひと目を惹くイメージ効果など、長い目で見るとオリジナルの方がコストパフォーマンスが高くなるわけです。

日本から輸入しているパッケージも参照しましたが、日本のパッケージは、保管や輸送に合わせて効率を考慮した形状が多く、使い手にとっては複雑怪奇なパッケージも多々あります。

形状が決まり、デザイン制作を進めています。

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フォントとロゴ

ワードなどで日本語の文章を書くときは、MS明朝とMSゴシックを使うことが多いと思います。
ソウルで見かける日本語や印刷物もこの2種類のフォントが多いようです。

MS明朝とMSゴシックはWindowsの標準フォントです。
Macの日本語標準フォントは平成明朝とOsakaですが、ワード、エクセル、パワーポイントなどMicrosoft OfficeではMS明朝とMSゴシックが標準フォントとして設定されています。

MS明朝とMSゴシックは、PCモニターではノーマルと強調文字がはっきり区別できますが、プリントアウトしてみると、ほとんど区別できない経験をした方も多いと思います。

MS明朝とMSゴシックはPCモニターには向きますが、印刷にはあまり向きません。
PC用に開発された明朝体は、印刷濃度を細い部分に合わせると太い「トメ」などが強調され、「トメ」に合わせると紙質によってはかすれてしまう傾向があります。
MSゴシックは、もとから太く、ノーマルも強調文字(B)も、印刷すると殆んど同じ太さです。

MSフォントを強調する標準フォントに、HGフォント「HG明朝・HGゴシック」があります。
また、明朝体よりはっきりした力強いフォントとして「楷書体」があります。
短い文章だと良いのですが、はっきりしすぎて、長い文章には向きません。

長い文章の印刷に向く標準フォントに「教科書体」があります。
明朝と楷書の中間で、明朝ほど角張らず、楷書をおとなしくしたフォントです。

日本の新聞社はたいていオリジナルのフォントを使っています。
大手出版社のなかにも自社フォントを持っている会社もあります。
自社フォントをもたない中小の出版社は、教科書体をよく使いますし、明朝体も印刷用に開発されたフォントを使います。

ちなみに、PLUXでは印刷用に開発された小塚明朝か小塚ゴシックを多く使っていて、Macではヒラギノを使うこともあります。

看板やカタログ・名刺などには、ロゴマークとロゴ社名を入れます。
ロゴ書体を作っている会社もありますが、フォントを指定している企業も多々あります。
多くの日本企業では、日本語に加えて英語社名のロゴもありますが、韓国社のロゴはもっていません。
ある会社の看板を作ったとき、ロゴデータには指定フォントで作成した英字社名もありましたが、「KOREA」という字が含まれていなかったので、指定フォントを入手して作成しました。

ロゴマークは意識していると思いますが、会社の看板や名刺で使っている社名表記も、ロゴか指定フォントかなど、いま一度、確認してみることをおススメします。
ロゴデータのほか、ロゴの使用マニュアルがあります。
取り寄せておくと使いたいときに慌てることがありません。

マニュアルは、広告会社やデザイン事務所が作成に関わり、広告や印刷、看板など製作者が理解できるように業界の専門用語を使います。
ロゴマニュアルの専門用語で不明な点は、広告会社や印刷会社に相談すると良いです。

韓国語版は http://blog.naver.com/pluxkr からお読みいただきます。

著作権

特許、商標、デザイン(意匠)などの知的財産は登録することで効力が生じます。
一方、著作権は登録しなくても、創作と同時に生じると定められています。
万国著作権条約では、条約締結国は著作者の死後25年以上の保護期間を定めることに規定されていて、日本や韓国は原則として著作者の生存中および死後50年と定めています。
複数者の共同著作物は最後に死亡した人の死後50年で、企業等法人の場合は発表から50年です。

著作権は、元々は芸術作品を想定していましたが、創作性がある広告表現も著作物になるというのが最近の考え方です。

広告は、発注者(広告主)、広告会社のスタッフ、デザイナー、写真や映像の撮影者、イラストを描くイラストレーター、CMソングの作曲者等々、多くの人が関わって共同で制作します。

著作権はカメラマンやデザイナーなど個人に帰属するケース、広告会社・制作会社に帰属するケース、発注した広告主に帰属するケースがあり、類似広告や複製・2次使用で争点となりますが、「創作者」が誰かで判断されます。

ちなみに、著作権法で対象外とされているのは以下の通りです。
憲法その他の法令。
国や地方自治体、独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの。
裁判所の判決、決定、命令及び審判やこれに類する行政庁の裁決及び決定。
国や自治体、独立行政法人が作成する前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物。
韓国の著作権法では事実の伝達にすぎない時事報道も対象外とされていますが、日本では著作権の対象となっています。

日本も韓国も著作権に関する国際条約の締結国で、条約によって公表する国の法律を摘要とすることになっています。
著作権は内国基準が基本です。たとえば、韓国で日本の著作物を扱うときは、韓国の著作権法に準じることになっています。

韓国語版は http://blog.naver.com/pluxkr からお読みいただきます。

WEBアクセシビリティとWEB標準

早いもので、今年も残すところ1ヶ月をきりました。
ソウル市内では、赤いコートを着て募金活動を行う救世軍の活動がスタートしました。

忘年会(送年会)で飲む機会が増えると思いますが、寒さも厳しくなりますので、飲み過ぎや体調管理には注意しましょう。

WEBアクセシビリティ
WEBサイトに簡単にアクセスできない環境、あるいは、障害者など一般の人たちとは異なる人々の情報格差を減らそうというのがWEBアクセシビリティの基本的な考えです。
健常者は、マウスを動かし、キーボードを操作し、WEBサイトの文字を問題なく見ることができますが、障害者や高齢者など限界があります。
WEBサイト(ホームページ)が情報ツールとして普及してくると、健常者との情報格差の問題が生じてきました。

そこで、「Webを利用するすべての人が、年齢や身体的制約、利用環境等に関係なく、Webで提供されている情報に問題なくアクセスし、コンテンツや機能を利用できる」Webアクセシビリティ標準が1999年にできあがり、2000年代に各国に広がりました。

似たような単語にユーザビリティがあります。
ユーザビリティは使いやすさであり、Webアクセシビリティは、ユーザーがそのWebコンテンツを使えるかどうかという違いがあります。

韓国では、公共機関や公共性の高い企業のサイトは、2013年までにこのWEBアクセシビリティ標準を遵守することが義務付けられています。
一般企業は、まだ義務化はされていませんが、今後、義務化されていく可能性があります。

WEB標準
WEBアクセシビリティと似た考え方にWEB標準があります。
多くのサイトがグローバル化し、また、WindowsのInternet Explorerに加え、Google ChromeやFirefox、Opera、また、MacのSafariなど、Internet Explorer以外のアプリケーションソフトでインターネットにアクセスする人が増えてきました。
Internet Explorerに合わせて作ったサイトがGoogle Chromeでは違う形に見えることはよくありますし、MacのSafariでは表示できないサイトもあります。
WEB標準とは、このような環境、Windows、Mac、あるいは上述のどのアプリケーションを使っても、意図した通りに見ることができるようWEBサイトを作るというものです。

日本語表記 禁則続きと数字

もともと、日本語には句読点はありませんでした。
いまでも改まった文章では句読点を打たないことがあります。

表彰状や感謝状
句読点は、書き手が読み手に対して読み方を指示(教示)する意味合いもあります。
表彰状や感謝状は、受け手に敬意を表する文書で、読み方を教示するのは失礼とされ、句読点を打ちません。

名前の表記
表彰状や感謝状に限りませんが、名前の表記にもルールが有ります。
相手の名前や肩書き、貴殿、貴社、御社など、相手方を表す語は行の前半に記載します。
一方、私事、当社、弊社など差し出し人を表す語は、行の後半に記載します。
文章の流れで、この原則通りになりそうもないときは、ルール通りになるように改行や文章修正などで、調整します。
メールではあまり気にしませんが、書面で作成するときは注意します。

数字の表記
日本語では、一、二、三、…、の漢数字と1、2、3、…、のアラビア数字があります。

縦書きは漢数字、横書きはアラビア数字が原則です。
たとえば、「25」は漢数字では「二十五」と表記します。「二五」は正しくありません。

また、「10」を漢数字で表記するときに「十」と「一〇」がありますが、一般には「十」です。「20」「30」も一般には「二十」「三十」です。

慶事では「十」「二十」「三十」と表記することとされています。
一方、弔事では「一〇」または「十」、「二〇」または「二十」、「三〇」または「三十」です。

年号
ところで、今年は平成25年です。このように日本には元号があります。
欧米や韓国などでは西暦を使っていますし、イスラムの国は、イスラム暦を使っています。
このような年号が異なる国を跨いだ文書は、どの年号で書くと思いますか??

日本語表記 禁則

日本語表記にはルールがあります。
これらのルールを把握している人は、
(1) 日本語教育関係者
(2) 編集者、校正者、コピーライター
(3) 企業等の総務 など

まずは「禁則」と呼ばれるルールを紹介します。

一字下げ
段落のはじめは一字下げるルールです。
書籍や新聞などでは原則的なルールですが、商業印刷等や新聞広告など、コピーライターやデザイナーの時判断で、この一字下げをしないこともあります。
PLUXで作成・出版した「韓国ビジネス便利帖」は、一字下げなしで統一していますが、例外的な表記です。
とくに理由がない場合は原則にしたがいます。

句読点
句点は、縦書きは「。」で、横書きは「。」または「.」です。
横書きの「。」「.」どちらを使っても良いのですが、統一することが原則です。
読点も、縦書きは「、」で、横書きは「、」または「,」です。
これも横書きはどちらを使っても良いのですが、どちらかに統一します。
行頭は、句読点ではじめてはいけません。どうしても行頭にくる場合は、字間を調整するなど、句読点が行頭にこないように修正します。

長音
片仮名表記では長音「ー」を使う単語があります。日本語を学習する外国人が苦手とする表記ですが、長音ではじめないというルールがあります。
句読点と同様、字間調整などで、長音が行頭にこないようの修正します。

ほかに、行頭にきてはいけない語があります。
「ん」と「ぃ」「ぇ」「ゃ」「ゅ」「ょ」など小文字、「ゞ」や「・」などの和文記号です。ちなみに「・」は、中黒と読みます。

また、綴じ括弧が行頭にくるのはNGで、はじめ括弧が行末にくるのもNGです。

最近は、新聞など行頭に長音「ー」がある文章もありますが、新聞社や出版社では、独自のルールを定めていることもあります。
独自のルールがない一般企業等では、禁則は守るのが、原則です。

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韓国ビジネス便利帖

日本語印刷物

韓国にかぎりませんが、海外では間違っている日本語をよく目にします。

多いのは、「ツ」「ッ」「シ」の間違い、「ソ」と「ン」の間違い、長音「ー」の間違いです。
「ツ」「ッ」「シ」の間違いは、看板はもとより、印刷物でもよくありますが、大抵、理解はできます。
「ン」と「ソ」の違いは、理解できることが多いのですが、わかりづらいこともあります。
「ナウオソ」という看板があり、どうしてもわかりませんでしたが、韓国語表記をみて、やっと「十ウォン」のことだと理解しました。
「ハッチョコ」という表記も、理解するまで相当かかりました。

「ツ」と「シ」、「ン」と「ソ」は、日本に住んだことがある人だと間違えることはあまりないようですが、韓国人にかぎらず、日本語ネイティブでない人にとっては、長音「ー」は難しいようで、間違えている表記が多々あります。

また、韓国語は、文節と文節の間にスペースがありますが、日本語はスペースがなく、読点や漢字、カタカナなどで文節を判断します。

この読点にはルールがあります。
日本人が書いた文書でも、読点の使い方が曖昧な文章は珍しくなく、校正者の判断で、読点を加減することが一般的に行われています。
日本人によるネイティブチェックを経た文書でも、このルールを正しく理解していない人が行ったと思われる文書もあります。

フォントの指定によっては、句点「。」が上に行ったり、読点「、」がコンマ「,」になったり、長音「ー」が半角「—」になってしまうことがあります。

句読点などと違い、専門的な教育を受けていなくても、日本語ネイティブや日本で日本語を使って仕事をしたことがある人にとって、間違っていることは瞭然なのですが、誤ったまま印刷されている文書をよくみます。

オフセット印刷・デジタル印刷・マスター印刷

いままで、個々に説明してきましたが、書籍や事務用印刷には、オフセット印刷、デジタル印刷、マスター印刷の3種類があります。

オフセット印刷は、高速多ロットに向く印刷で、3種類のなかで、最も高品質な印刷です。
印刷するデータをPS版という版に焼き付け、インクを転写して印刷します。
PS版は、1色(1種類のインク)につき1枚、必要となります。

枚葉印刷機と輪転印刷機の2種類あり、枚葉印刷機は1枚ものの印刷用紙を送りながら印刷します。
印刷機と印刷用紙のサイズは、菊全版、菊半裁版、菊四裁版、四六版、四六半裁版などがあり、もっとも小さいのは菊四裁版というA3判に余白を付けたサイズですが、持っている印刷所は少なく、とくにソウルでは、A1判に余白を加えた菊全版か、A2判に菊半裁が一般的です。
A4を印刷する場合、菊全版で8面を、菊半裁版で4面を一緒に印刷することができます。
書籍だと8ページまたは4ページを一緒に、チラシやリーフレットは4枚または8枚を一緒に印刷します。
この4ページまたは8ページをPS版に並べて転写する作業を、日本では面付け、韓国では「ハリコミ」といいます。

オフセット輪転機は、ロール紙を使って印刷します。
トイレットペーパーを大きくしたような形状の印刷用紙です。
枚葉印刷機よりも格段に高速で印刷できますので、新聞など5〜10万部以上の大量印刷で使います。

枚葉機も輪転機も、刷り色ごとにドラムがあり、1色ずつ順に印刷します。
印刷する順番には特に決まりがなく、オペレーターによって異なります。

デジタル印刷は、オフィス用プリンターを高速、高品質にした印刷機をイメージすると良いでしょう。
オフィスプリンターと同じように、トナー方式とインクジェット方式が有り、データを色別に分けて、トナーやインクを印刷用紙に噴射して印刷します。
オフィスプリンターと比べて、細密な印刷が可能で、オフセット印刷に近い仕上がりもできますが、オフセット印刷と比べてランニングコストが高いことから、1部〜数百部程度の小ロット印刷で使います。

マスター印刷は、昔よくあったガリ版を機械にセットした印刷です。
まず、データをマスターという版に転写し、そのマスターにトナーを転写して印刷します。
報告書をはじめとする品質よりも価格を重視する数十部から数百部程度の1色刷の小冊子の印刷に向きます。