カテゴリー別アーカイブ: 韓国の日本食

韓国の酒事情 日本酒;注文できない

韓国に入っている日本酒の銘柄は100をはるかに超え、同じ銘柄でも大吟醸や純米など、多岐に渡ります。
とてもじゃないけど、覚えきれません。

ではどうやって注文するかというと、店の人に聞くのが一番のように思いますが、韓国の日本酒はとても高額。
自店で扱っている日本酒を口にしたことがない店員が多いのです。

韓国の日本料理店は、オーナー等が試飲して扱う酒類を決めます。
ところが、直接お客様と接する店員は飲んだことがありません。
さらに日本酒ラベルは漢字の毛筆が多く、読めない店員も多いことでしょう。
聞かれても勧めることができない店員が多いのです。

お客は選ぶことができず、店員は勧めることができない。
値段で選ぶケースが多くなります。

よく旨い酒は何かと聞かれますが、正しく管理された地酒に不味い酒はありません。
好みの差があるだけで、地酒はどれも旨いのです。
直接お客様と接する店員に飲んでもらって、その店員が気に入れば、そればかり勧めるようになります。
蔵元の方、韓国はもとより海外で居酒屋を訪問したら、オーナーだけでなく店員にも味わってもらってください。



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韓国の酒事情 日本酒;複雑な体系

韓国で普及しているビールや焼酎など、多くが1メーカー1銘柄で、メーカー選択=銘柄選択ととてもシンプルです。

韓国の酒事情 ビール

それに比べて、日本酒は複雑。
日本酒のメーカー(蔵元)は1000を超え、銘柄は15000以上。
さらに同じ銘柄でも大吟醸、吟醸、純米、本醸造、さらには普通酒があります。

ワインも同じようにたくさんの酒類がありますが、たとえばある店でA社のAnjou(アンジュ)が気に入った人が他の店でAnjouを求めたとき、その店にA社のAnjouがなくてもB社のAnjouがあれば、その客はB社のAnjouを飲むことができます。
ところが日本酒は○○という銘柄の純米酒が気に入っても、店ごとに扱っている純米酒の銘柄が異なると、その酒を注文できず、他の純米酒を選ばなければなりません。
安ければ様々な銘柄を試すことができますが、高額な日本酒の銘柄を試すことなど、なかなかできるものではありません。

好きな日本酒のアンケートでは、ほぼ同じような銘柄が毎年上位にきます。
首都圏や関西圏などで扱っている店が多い銘柄が上位に選ばれる傾向がみられます。

韓国では「がんばれ父ちゃん」と「月桂冠」が売れていますが、がんばれ父ちゃんは、日本語を学んだ人なら、すぐに覚えられそうな名前ですし、月桂冠はどこでも扱っている酒だからかもしれません。



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韓国の酒事情 日本酒の価格その2

韓国は保証金や権利金が高額です。

保証金は家主に払う金銭で、日本の敷金に相当し、退去時の返還が原則です。
敷金と同じで家賃の滞納等がなければ、全額返還されます。

権利金は、前の賃借人に払う金銭で、基本的に戻ってきません。
日本の「居抜き料」に近いですが、設備や什器を引き継がない場合でも発生します。
繁盛店は権利金が高く、繁盛店になれば支払った以上の権利金で店の権利を売れることがあります。
もちろん、前賃借人がいない新築物件はこの権利金は不要です。

韓国では、酒問屋がこの保証金や冷蔵庫等の什器・備品等を貸し付けることが多々あり、貸し付けを受けた居酒屋等は、すべての酒をこの問屋から買うことになります。
他のルートで仕入れたら金銭は一括返済、什器備品は買取を求められるので、その保証金を借りている問屋が勧める酒を扱います。

酒問屋は地域ごとに数が決められ、地域によってはほぼ独占的に扱うことができるし、金銭等を貸し付けた店の酒は一手に扱うことができるので、強気の価格設定ができるのです。
この商習慣もまた、日本酒が高額となっている要因の一つなのです。



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韓国の酒事情 日本酒の価格

韓国は2007年から日本酒の輸入量が急増し、輸出量・輸出額とも年々、増加しています。
ほとんどが日本料理店や日式など飲食店で消費されています。

市場価格は日本の3〜5倍。
輸入会社等は税金が高いといいますが。
韓国の日本酒の関税や酒税等を合わせた実効税率は約53%程度(VAT除く)で、税金と輸送費を考慮すると、日本の市場価格の2倍ほどで売れるはず。

高値の一番の理由は流通。
日本酒は製造メーカー(蔵元)から輸入会社、輸出会社、問屋を経由して小売店や飲食店に届けられますが、これらのマージンが高いのです。

韓国は酒類の輸入会社や問屋は専業が義務付けられており、また、配送は専用車両、業者間取引は専用カード決済など高コスト。
さらに問屋の力が強く、値段が崩れません。
酒蔵が直接、韓国の輸入会社に販売するケースもありますが、輸入会社・問屋ともマージン率を高めに設定しています。
輸入会社の免許(酒類輸出入卸)で、直接消費者に販売することはできませんが、自社が輸入した酒のみ飲食店や小売店へ販売(卸売)できます。
とはいえ、絶対的な販売数が少ない日本酒だけの配達は高コストとなるので、絶対数が多いビール等を扱う問屋に委託するケースが多く、値段が高くなります。

現状1;蔵元>輸出会社>輸入会社>問屋>飲食店・小売店
現状2;蔵元>輸入会社>問屋>飲食店・小売店
(参考)ワイン;蔵元>輸入会社>飲食店・小売店

韓国の消費者のコスト感覚は、日本と大差ありません。
価格が2倍以内に下がれば、もっと数量が出ると思うのですが、3倍以上だと割高と感じる消費者が多いかもしれません。
内外の価格差が小さいワインは市場が拡大しています。



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日本の味

旧正月のお休みはいかがお過ごしでしたか。
正月の正月と韓国の旧正月が終わり、いよいよ2014年度が本格的に始動します。

ところで、旧正月休みに合わせて日本へ一時帰国・旅行された方も多いかと思います。
この訪日の最大の楽しみが和食をはじめとする「日本の味」という人が少なくありません。
刺身、寿司、天ぷらなどの伝統食のほか、ラーメンや牛丼をはじめとする丼物など、
味はもちろん、見た目も愉しむのも日本料理の特徴です。

日本食には、地域色豊かな駅弁をはじめ、地域限定や季節限定の味も多く、
特に今の時期は「恵方巻」をよく見かけます。
もともと1990年代の終わりに、大手コンビ二チェ―ンが、関西の一部で節分に太巻を食べる習慣を
参考にはじめたメニューで、いまや日本中に広がっています。
正月が終わり売上げが低迷する2月にバレンタインチョコに続く「2匹目のどじょう」でしょうけど、
そもそもバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣も東京の製菓会社がはじめたものです。

一事業者がはじめたバレンタインチョコレートや恵方巻が、いまや社会現象にもなっています。
仕掛けた会社が独占すれば大きな売上げが期待できそうですが、新たにはじめた限定企画を維持して
定着させるのは新たにはじめるより大変かもしれません。
ある程度定着するまでには、多大な労力に加え、それなりの広告宣伝も必要です。
一方で、他社も参入して社会現象として定着するようになれば、マーケット全体が大きくなりますので、
さほど大きな労力や広告宣伝がなくても継続して売れるようになっていきます。

そうはいっても、自社がつくったマーケットが他社に喰われてしまい、
長期的には自社シェアの低下を招くこともあります。
商品戦略と広告PR戦略をセットで企画することが大切です。

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「冬期に旬となるいわての郷土料理「はらこめし」
地域特性と旬の食材が日本料理の特徴

天ぷらとトンカツ

天ぷら
寿司や蕎麦と並ぶ代表的な日本料理ですが、16世紀にポルトガルから伝わったフリッターが直接の起源です。
素材に米粉の衣をつけて油で揚げる料理法は、奈良時代—平安時代には伝わっていましたが、いまと同じような小麦粉を使った「てんふら」が文献に見えるのは17世紀後半からで、てんぷらという名もポルトガル語で調理に関連するtemperarあるいは temperoが語源といわれています。

江戸時代の前期には、すでに現在と同様の調理法が確立されており、江戸の屋台の定番メニューとして庶民の間に広がりました。
18世紀半ばの描かれた絵巻には、江戸の三味として、蕎麦、寿司、天ぷらの屋台が描かれています。

江戸の庶民の軽食として定着した天ぷらですが、江戸時代末期には、料亭や店舗を構えた天ぷら専門店も現れ、日本全国に広がりました。
なかに入れる食材は種といい、小麦粉と卵で作った衣をつけて油で揚げます。
種には野菜や薩摩芋、レンコンなどの根菜、山菜、エビなどの魚介などがあります。

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とんかつ
欧米でも人気が高い日本食のひとつですが、フランス料理のコートレット(Cotelette)が起源です。
コートレットは、パン粉をつけた仔牛の肉を、少量の油で炒めたり、揚げたりする料理で、東京銀座のフランス料理店が、仔牛肉のかわりに豚肉を使った「ポークカツレツ」を提供しました。
日本では、仔牛肉より豚肉の方が、ポピュラーです。

大正時代になって、和食の店でもポークカツレツを大量の油で揚げたカツ丼やカツカレーが提供されるようになり、日本食として定着しました。

カツは、勝つに繋がることから、スポーツ選手や受験生の間で人気となっていますが、消化に時間がかかるので、食べる時間帯によっては逆効果ともなりかねません。

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日本の食;ラーメンの話

日本食のなかには、外国に起源をもつ料理も少なくありません。
日本の国民食として定着しているラーメンの起源は中国です。

明治の初め、新たに開港した横浜や神戸などに中華街ができましたが、その横浜中華街の料理人を招いて、東京・浅草にオープンした中華料理店が提供した麺と餃子が人気となって、日本全国に広がりました。

麺は小麦粉にかんすいなどのアルカリ水溶液を加えて練り、細く切ります。かんすいのかわりに重曹や鶏卵を使うこともあります。
東日本は「ちぢれ麺」が主流で、西日本は「ストレート麺」が主流です。

<中華そばとラーメン>
鶏ガラに野菜や削り節、煮干しなどを長時間煮込んでつくったスープと、豚肉を煮込んだ醤油を加えたタレが基本で、この醤油味のラーメンは、日本の伝統的な「蕎麦(そば)」に対して「中華そば」とも呼ばれています。
具は、豚肉を煮込んだ醤油で煮込んだチャーシュー、長ネギ、筍を醗酵させたメンマ、練り物の鳴戸巻き、海苔が基本で、スパイスは、胡椒やラー油が合います。

「ラーメン」という呼び名は、1958年に日清食品が即席麺の「チキンラーメン」を販売してから広がりました。語源は諸説ありますが、中国西北部の「拉麺(ラーミェン)」に由来するという説が有力です。

<味噌ラーメン>
札幌発祥で、味噌の香りとコクが特徴で、唐辛子や脂の多いこってりスープともよく合います。
麺は太めで、具材はネギ、メンマ、モヤシなどです。

<塩ラーメン>
塩ラーメンは、素材の香りや色彩が表れやすい特徴があり、鯛骨や魚介を使ったスープなど、繊細な味を楽しむことができます。
海鮮ラーメンやラードで炒めた野菜を載せるラーメンなどがあります。

<とんこつラーメン>
九州発祥のラーメンで、溶け出した骨髄のコラーゲンで白濁したスープが特徴です。
味付けは醤油が基本で、薄口醤油や白醤油を使うこともあります。
具材は、チャーシュー、ネギ、キクラゲなどです。

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日本食;寿司の起源

イカ、サバ、アジ、カレイ、ホヤなど夏に旬を迎える魚介がいろいろあります。
とはいえ、高温多湿で、ご飯や魚が腐りやすい季節なので、腐りにくくするために酢をまぶした「寿司」が生まれました。

「なれ寿司」は平安時代には食べられていました。
鱗や鰓、内蔵などを取り出し、塩をまぶして一晩おきます。
さましたご飯に魚を入れて、数十日間立つと、ご飯が醗酵して酸味を生じます。
琵琶湖の鮒寿司、秋田の鰰寿司などが有名です。

江戸時代に誕生した「押し寿司」は、酢で味付けし、重石で強く押して一日おきます。
関西では「バッテラ」といい、鯖寿司が有名です。
ほかに京都の鱧寿司や北陸の鱒寿司などがあります。
バッテラは、ポルトガル語のbateira(小舟/ボート)に由来します。
ボートに似ているため、バッテラと呼ばれるようになりました。

「握り寿司」は、江戸の郷土料理(江戸前)でしたが、いまは寿司というと、握り寿司をさすほど定着しています。
昆布で出汁を取った水で炊いたご飯をさまして、酢に塩と砂糖を加えた「あわせ酢」を混ぜます。
この合わせ酢を混ぜた「酢飯」を「舎利」といいますが、もともと仏教の言葉で、サンスクリット語のシャーリ(=米)に由来します。
シャリにのせるネタは、生の魚や貝のほか、だし巻き卵(ギョク)、焼いた鰻や穴子などがあります。
品質が劣化しやすいトロや鮭なども、輸送技術の発達で、生で食べられるようになりました。
ヒラメのエンガワや鮭の脂身は軽くあぶると風味が増します。

寿司ネタは、生の魚介が多いことから、殺菌効果がある わさび を付けて食べますが、子供など、わさびが苦手な人にはわさびを入れない「サビ抜き」もあります。握り寿司は1個を一貫と数えます。また、付け合わせのショウガをガリ、お茶をアガリ、醤油をムラサキといいます。
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主観的日本食情報

主観的日本食・日本酒情報を作成しています。
最新版は第4版で、2013年4月に更新しました。
主に駐在員を対象に作成、配信しているので、個人ではなかなか行けない接待向けの店も掲載しています。
客として利用した際、味と価格とサービスが日本人として納得できるかレベルかどうかで判断しています。

韓国には、いわゆる「日式」と「日本料理店」があります。日式というのは、いわば、日本風韓国料理です。
ソウルの本格的日本料理店は、三谷屋、陣屋、珍かつでしょう。

三谷屋という名が付く店はいくつかありますが、龍山駅の裏にある「三谷屋本店」と東部二村洞にある「鈴蘭亭」の2店舗が、三谷社長が経営する店です。
定食が主体で、いつも食べに行けるような価格ではありませんが、三谷社長は、元は食材が専門で、素材に拘っています。
素材を落とさず、日本の味とサービスを提供したいという思いで、日本の味を守っています。

「陣屋」は、ホテルの料理長だった田名部社長が経営していて、本格的なコースメニューが主体です。
場所柄、中流以上の韓国人が多く、内装インテリアは韓国人好みとなっていますが、田名部社長が指導した料理は、日本人にとって十分に納得できる味です。

「珍かつ」の金社長は、東京芸大声楽科卒という飲食店のオーナーとしては異色ですが、もともと料理好きで、韓国留学中に飲食店でバイトをして、そのまま料理の道に進んだそうです。
ソウルには、とんかつの店がたくさんありますが、珍かつのランチのかつ定食は、いままで食べたなかでは、ソウル一です。

関西の出身者には、関西弁が飛び交う「とんあり」が良いでしょう。
大阪生まれの松本社長が、吟味したお好み焼きがあります。
場所柄、江北に職場がある日本人駐在員の憩いの場ともなっています。

カレーは「CoCo壱番屋」と「東京カレー」は、日本の味そのままです。
CoCo壱番屋は日本のチェーン店ですし、東京カレーも日本の食品卸が経営しています。

日本ブランド;カッパ寿司

韓国は日本食ブームで、居酒屋のほか、回転寿司もあります。
日本からもカッパ寿司、スシロー、がってん寿司が、進出しています。

韓国の回転寿司は、小振りで1皿が2000〜4000W台など値段が高く、普通の寿司店よりも高くつくことも多々ありますし、いわゆるカリフォルニアロールなど、どうみても寿司とはいえないようなシロモノも回ってきます。

そんななか、日本でも安価に寿司を食べることができるチェーンとして知られるカッパ寿司は、1皿がすべて1700Wと良心的な価格で、ランチタイムには5500Wのセットも用意しています。

カッパ寿司の韓国1号店は釜山で、2009年に開店しています。
いまは、釜山4店舗、ソウル2店舗、大邱1店舗です。

韓国に進出する日系飲食店は、ソウルからはじめるのが普通ですが、ソウルの飲食店で、素材にこだわる店のなかには、釜山から直接、魚を仕入れている店が多々有ります。
マーケットを重視すればソウルからスタートしますが、仕入れを重視すれば釜山からのスタートも納得できますし、それで低価格を実現できているのでしょう。

タッチパネルで注文するやり方は日本と同じで、日本では新幹線が注文した品を運んできますので、韓国ではKTXかと思ったら、飛行機が運んできます。

かっぱ寿司は、寿司は全皿が1700Wで、セルフの味噌汁とドリンクはフリーです。
味も日本の国外で食べる寿司としては十分なレベルです。

日本ではロードサイドで展開しているカッパ寿司ですが、ソウル1号店は江南のビルの2階です。
ロードサイド店は、家賃もさることながら、権利金が以上に高く、安価に楽しむというコンセプトを実現するには、2階以上となります。
おまけに、開店した当初は、カッパ寿司はソウルでは無名だったこともあり、苦労していましたが、いまでは多くの人が利用しています。